※この記事は「移動平均線を活用する」の記事を見た方を前提にお話しています
前回は移動平均線について説明しました。合わせて使いたいテクニカル分析ツールとして「ボリンジャーバンド」があります。定義は移動平均線よりも複雑であり標準偏差を用いて導きだすものですが、その計算方法はわからなくても何ら問題ありません。
(わたしも分からないからね)
ただ仕組みだけは理解していただきたいもの。ボリンジャーバンドは移動平均線を挟むように表されるラインで、σ(←シグマと呼びます)という単位を用います。
特徴としては対象の値動き(今回は為替)が
・±1σの範囲内に収まる確率は約68%
・±2σの範囲内に収まる確率は約95%
・±3σの範囲内に収まる確率は約99%
であることを覚えておけば、ざっくりとした知識としてはOKです。
ただこのボリンジャーバンドをどのようにトレードに活かしていくか。これが我々デイトレーダーとして大切なことですよね。今回はそこのところを深く掘り下げて説明していきます。
このボリンジャーバンドと移動平均線を使いこなせるようになれば反発・反落のポイントの見極めが容易になり、皆さんのデイトレの勝率を上げることに貢献するでしょう。
ここからはわたしのデイトレで使う設定となるため完全なオリジナルとなりますが、少しばかりは参考になると思いますので少しお付き合いください。
最初に決めておきたいことはどのボリンジャーバンドを使うか。±1σは約68%の確率なのでダマシが多くなります。±3σだと約99%の確率でバンド内に収まりますが、そもそも値がそこまで近づくことが少ないため機会損失が多いです。消去法で選べば±2σ一択となりますね。
では移動平均線(21)と±2σのチャートをみてください。
(USD/JPY 60分平均足使用 移動平均線21 ボリンジャーバンド±2σの設定)
真ん中に通る一本の赤い線が移動平均線、それを挟むように上下にある黄緑色の線が±2σのボリンジャーバンドとなります。ローソク足(平均足)のヒゲはちょくちょくボリンジャーバンドの外側にはみ出ますが、実態部分はほとんど内側に位置します。統計学的に約95%の確率で内側に収まることが頷けます。
では具体的にどのようにボリンジャーバンドを活用すれば良いのでしょうか。上の図にヒントがあります。考えてみてください。
って、もったいぶってもしょうがないですね(笑)
正解は移動平均線と同様に、ボリンジャーバンドはサポートもしくはレジスタンスとして機能するということです。まあ移動平均線の仲間なので当然といえば当然でしょう。注意すべきは「レンジ相場」と「トレンド相場」で役割が違うということです。上と同じチャートですが、解説を書き加えたものをご覧下さい。
チャートの真ん中あたりは移動平均線が横ばいで「レンジ相場」であることが読み取れます。であればローソク足が移動平均線を跨ぐ中で、上がった時の反落のポイントがボリバンの上限、下がった時の反発のポイントがボリバンの下限であることがわかります。実際に数回ずつ相場の反転を繰り返していますよね。
チャートの右側にいくと移動平均線が右下下がりに変わり「下降トレンド」に転換しました。そのときはボリバンではなく移動平均線が頭を抑えるようになりましたね。
以上のように「レンジ相場」と「トレンド相場」ではボリバンの役割が変わってきますので注意してください。
「レンジ相場」であればボリバンの下限・上限を参考にロングとショートを繰り返していけば利益を重ねることができますが、「トレンド相場」の場合はどのように活用すればよいでしょうか。上昇相場と下降相場2つのチャートを用意しましたので順番にご覧下さい。まずは上昇相場です。
(USD/JPY 60分平均足使用 移動平均線21 ボリンジャーバンド±2σの設定)
上昇相場での調整から反発(サポート)が入るときにはボリンジャーバンドの下限が役立ちます。非常に強い相場であれば移動平均線で反発しますが、緩やかな上昇相場であれば移動平均線で反発せずボリバンの下限で反発することも多々あります。
上のチャートでは2回ずつ移動平均線とボリバンの下限で反発していることがわかりますね。
逆に上昇相場のときにボリバンの上限は使いません。見ないでください。レンジ相場と同様にボリバンの上限でショートを取ってしまうと大怪我しますので、必ずボリバンの下限だけの利用に留めてください。ここは大事です!
ボリバンの下限を明確に割り込んでしまった場合(かつ移動平均線が横ばいor下向き)は上昇相場の終わりを意味します。戦略を変更するタイミングですね。
続いて下降トレンドも見てみましょう。上昇トレンドの逆と思ってください。
(USD/JPY 60分平均足使用 移動平均線21 ボリンジャーバンド±2σの設定)
下降トレンドでは、ボリンジャーバンドの上限や移動平均線が反落(レジスタンス)のポイントとなります。こちらも強い下降トレンドが出ていればボリバンの上限まで上がることはありませんが、上のチャートではボリバン2回、移動平均線で2回の反落ポイントとなっています。
こちらもローソク足が明確にボリンジャーバンドの上限を上抜けしてきたら(かつ移動平均線が横ばいor上向き)トレンド転換となります。
下落トレンドではボリンジャーバンドの下限の使用は禁止です。暴落に巻き込まれる可能性大。上昇トレンドと同様に流れに逆らったトレード、いわゆる逆張りはデイトレでは厳禁ですよ。
以上、ボリンジャーバンドの活用方法はご理解いただけましたか。移動平均線と合わせてボリンジャーバンドを活用することで、デイトレの勝率UP間違いありません。
では今回はこの辺りで。