FXトレードする際に、国内口座と海外口座どちらを使うか。
これはFX業界でいえば「テクニカル分析」VS「ファンダメンタルズ分析」
住宅業界でいえば「持ち家」or「賃貸」に匹敵するくらい二分するテーマになる。
結論から言えば「その人のトレードスタイルによる」で片づけられてしまうが、今回はもう少し深堀して、わたしの見解を述べていきたい。
まずはそれぞれの口座のメリット・デメリットから記していく。
【国内口座】
メリット
・スプレッドが狭い
・海外口座に比べ業者の信頼度が高い(といわれている)
・スワップ金利が高い
・出金が速い(当日から翌営業日)
・トレードに応じて「食料」がもらえる業者がある
デメリット
・レバレッジが最大25倍であるため、少額トレーダーは大きなポジションが取れない
・相場の急変時にマイナス決済されたとき追証がある
・業者によって使用ツールが異なり、操作方法が覚えにくい
【海外口座】
メリット
・レバレッジが高く少額トレーダーも大きなポジションが持てる
・入金ボーナスが充実しており、資金的なリスクを抑えた投機ができる
・ゼロカットシステムにより入金額以上の損失が出た際も追証の概念なし
・MT4、MT5といった共通のプラットーフォームを使うことができる
・日経、ダウといった株式指数やゴールド、原油といった商品相場もトレードできる
デメリット
・スプレッドが国内口座に比べ広い
・信頼度が低い業者の存在がある(らしい)
・利益が雑所得となり、高額所得者や勝ち組トレーダーは税率が高くなる
・スワップ金利が低い
・出金に時間がかかるケースあり(クレジットカード入金した場合)
・日本語に対応していない業者がある
ざっとこんなところであろうか。
これらのメリット、デメリットを把握した上で、個々のトレードスタイルに合った口座を使用していけば良いと考える。わたしもトレードの目的によって使い分けているが、どのようなトレードスタイルがどちらの口座に適しているか具体的な例を挙げみた。
①トレード資金
・10万円以下
これは海外口座一択でしょう。レバレッジ25倍で10万円入金しても最大250万円分のポジションしか持てず、ドル円が110円であった場合なら2万通貨(2万ドル)のポジションしか持つことができない。練習する分には良いかもしれないが、ある程度トレードで利益を取りたいと考える方には少々心もとないポジションです。
2万通貨で10pips抜いても2,000円の利益では物足りないと個人的には考えます。
多くの海外口座は「入金ボーナス」があり、入金した金額の20%~100%がトレードに使えるクレジットとして受け取ることができ、これを有効活用することによって証拠金をを増やし、余裕をもったトレードをすることができるようになります。
よって投資金額10万円以下の少額トレーダーは海外口座に優位性があるかな。
・10万円超~100万円以下
国内口座、海外口座どちらでも良いと考えます。資金が大きくなるにつれて国内口座の優位性が増してきます。スプレッドが小さい&スワップ金利が多いからね。
あとは後述するトレードスタイルによって決めていくことが吉。スキャルピング(超短期)、デイトレ(短期)、スイング(中期)といった時間軸に合わせて口座を選んでいきましょう。
・100万円超~
国内口座を推奨します。わたし自身も100万円を超える資金は海外口座に入れず国内口座を利用しています。実際に海外口座で出金拒否や口座凍結を喰らったことはありませんが、仮に資金が出せなくなり問い合わせや訴えを起こしたとしても言語の壁、海外の法律によって手続きを進める必要があり、そこまでのリスクを負って海外口座を使う必要性はないかと。
国内口座であれば資金の分別保管など安全性が整備されているため、このような心配は皆無でしょう。よって大きな金額になればなるほど、国内口座を使ったほうが良いでしょう。
②トレードスタイル(時間軸)
・スキャルピング(超短期売買)
ポジション持ってから数秒~数分、利幅は数pipsで決済するスタイルがスキャルピングですが、これは前述のメリット、デメリットで記した通りスプレッドの広さを考えると国内口座に優位性があります。
ドル円のスプレッドは国内口座で0.2~0.3銭、海外口座は1.5銭前後であることを考慮すれば、国内口座がいかに有利かわかりますよね。
スキャルピングは利幅が小さい代わりに多くのロット(取引量)でトレードするため、投入金額も100万円を超えるケースが多い。そしてスプレッドの広さは直接収益に影響を及ぼします。トレード資金でも述べた通り大きな金額の運用は国内口座という原則からみても、スキャルピングは国内口座でトレードすることが最適解になりますね。
・デイトレード(短期売買)
海外口座を推奨します。スキャルピングと異なり利幅は10~50pips程度を狙っていくため、スプレッドの広さも多くの影響を及ぼしません。まあ、デイトレであればスプレッドが広くても勝つ人は勝つし、負ける人は負けちゃいますけどね(笑)
それよりも海外口座のメリットである入金ボーナスやハイレバレッジを利用して、投機的なポジションを構築して利益を出していくことに注力していくことで、デイトレの収益率を高めていった方が良いと個人的には考えています。
注意すべき点は「失っても気にならない余裕資金でトレードする」こと、「利益はこまめに出金する」ことを心掛ける必要があります。
基本的なテクニカル分析と的確な判断、そして適切な資金管理が求められるトレードになりますので、しっかり学んでから海外口座を使って参入しましょう。
・スイングトレード(中期売買)
スイングトレードは国内口座を使いましょう。比較的長い時間を証拠金として置きますので、業者の安全性や信頼性の高さが求められます。加えてスワップ金利(最近は低くなりましたが)も少しながら影響を及ぼしますので、国内口座が有利です。
中期的なトレードをするのであれば投入資金も多い方が有利となりますので、100万円以上証拠金を入れるスイングは、投資金額の観点からも国内口座を推奨します。
・スワップ金利重視(長期投資)
インカムゲイン(スワップ金利)を目的としたFX取引は、個人的には推奨していません。インカムゲインは本来レバレッジをかけずに債券や高配当株で行うものと考えているからです。
為替によるスワップ金利目的で1年以上持ち続けること、一昔前では南アフリカランド、2~3年前はトルコリラが流行っていましたが、結果は無残なものです。もちろんリーマンショック後の豪ドルやニュージーランドドルでキャピタルゲイン(売買益)とインカムゲイン(スワップ金利)の両方を得ることができた時期はありましたが、そのようなタイミングで投資することは困難です。この話を始めたら長くなりますので割愛しますね。
しかしながら現在もスワップ目的でメキシコペソや南アフリカランドに投資する方は一定数いますので、あえて言うなら国内口座で投資すべきでしょう。スワップ金利の水準から海外口座の選択はありません。そもそもMXN/JPYといったメキシコペソ/円の通貨ペアを扱っている海外業者も見当たらないので。
ということで長くなりましたが、スワップ金利を重視するなら国内口座一択です。
以上いかがだったでしょうか。
皆さんのトレード資金や投資スタイルによって国内口座と海外口座をうまく使いこなし、利益を出すためのツールとして利用していきましょう。